吉祥寺 税理士の新たな開設

低金利による金融政策が効かなくても、財政政策は効くのです。 金融政策の場合は、先ほど申しましたように、中央銀行が金利を下げたことに反応して、民間が銀行でお金を借りて、そのお金を使わないことには効果がありません。
効果が出るまでに、そこにワンクッションがあるのです。 民間がお金を借りようとしない今のような状況では、そこがワンクッションとなり、中央銀行の政策は全然効かなくなってしまうのです。
史上最低水準の○・五パーセントまで公定歩合を下げても、断然次の人の所得が発日本経済を支えているのは財政政策であることに外国人投資家は気づいたのですが、そこから彼らは今持っている株を売ろうかどうしようか考えました。 一九九六年の秋ごろです。
このとき、ちょうど日本では選挙がありました。 この選挙を前にして、自民党がどんな宣伝をしていたかというと、Ksさんあたりが大型補正もありえるとさかんに言っていました。
景気対策の大型補正予算です。 一方、野党の新進党はどうだったでしょうか。
一八兆円の減税政策でした。 大型補正予算というのは、公共事業ですから、財政政策そのものです。
財政政策というのは、政府が自らお金を使うわけですから、ワンクッションがないのです。 直接的にその影響が出てきます。
九六年の第一四半期に大変な数字をつくり上げたのです。 実際に、景気拡大につながったのです。

そのことに、外国人投資家も気づきました。 秘密は財政だったのかと分かったのです。
自民党も新進党も財政政策を打ち出していたわけで、話を聞いた外国人の投資家は「なんだ、結果オーライじゃないか」と判断しました。 「我々は日本銀行の政策にかけて株を買ったけれど、日本銀行の政策は断然無意味だった。
財政政策が日本経済を支えていたのであり、その財政政策は今後とも続くのだから、別に悲観的になって日本株を売る理由はない」となったのです。 たしかに自民党が勝てば大型補正が出てくるし、新進党が勝てば一八兆円減税とどちらに転んだって、日本経済がこけることはないだろう。
それで、結局彼らは株を売らずに九七年の年初まできました。 どこでどういうふうに話が変わったのか、九七年の年初に発表になった九七年度予算は、大変な緊縮財政だったのです。
皆さんもご存じのように消費税アップ、特別減税の廃止、大型補正予算は見送り、社会保障費アップと、これらを全部足すと一五兆円くらいの支出カットになります。 前年比一五兆円マイナスということになるので、見た外国人投資家は大変なパニックに陥りました。
日本政府は財政政策を放棄したと、外国人投資家は判断したのです。 唯一経済を支えている柱である財政政策を政府が切りますよという話になったのですから、日本株を持っている外国人からすれば、もう大変なことです。
これから日本経済は、目茶苦茶になる。 暴落するのが目に見えている株など持っていられるかとばかり、外国人投資家は日本株から逃げ出しました。

そのため、予算の発表をきっかけに、株価が年初の二万円くらいから一万七○○○円まで、ほんの数日の間に落ちていったのです。 外国人投資家は日本の一九九七年度予算を見てパニックに陥ったのですが、このパーツには、実は二つの部分がありました。
日本株売りのパニックと、円安へ向かってのパー統がありまして、私もその仕事でロンドンやエジンバラなどの金融センターを回っておりました。 その現地での講演会で、私の目の前に日本株を持っている外国人の投資家の方々がやってきます。
「どうしてくれるのだよ。 こんなに日本株を持っていて、財政政策が日本経済を支えているのに、切るのだろ。
あんたに悪いけど、売るよ」とバンと売ってしまったのです。 もう完全にパニックでした。
それで株はますます暴落します。 そこでもう一つの問題に、外国人投資家は気づきました。
日本政府は切るという。 一方、放っておけば日本経済は目茶苦茶になるだろう。
そうなると最後に残った政策は、一つしかない。 残ったのは為替政策のみで、つまり日本政府は、これからどんどん円安にしていくだろう」そう考えた外国人投資家は、青ざめました。

そういえば、その数カ月前、大蔵省のseさんが一ドル一三○円もありえるとさかんに円安を推し進めていました。 皆そのことを思い出しました。
日本国内にいる我々からしてみれば、「円安でどこが悪い」ということになりますが、日本株を持っている外国人投資家は違います。 円安では、自分たちの持っている日本株の為替差損がどんどん拡大していくことになるからです。
ちょうど八○年代に日本の投資家がアメリカに投資して、アメリカの財務省証券とかロックフェラーセンターを買っていたときのことを思い出してください。 そのときどんどんドルが下がっていって、日本の投資家が真っ青になったのと同じような状況が、今海外で起きているのです。
海外の投資家は、日本株をたくさん買っていました。 先ほどご覧になっていただいたように、九○年代に入ってから買った額だけでも全部足すと、二○兆円くらいになります。
そこに、円安というショックが加わったのです。 今、円は、世界で一番弱い通貨であります。
やっとタイ・バーツが追いついてきたくらいで、過去二年間を見れば円が一番弱かったのです。 それなのに、さらにこれから日本政府は円安を進めるといいます。
一ドルが一三○円になるかもしれない。 一四○円になるかもしれない。
それでは外国人はとてもじゃないけれど日本株なんて持っていられないわけで、そこで発生したのが日本株売りに続く、円売りだったのです。 日本の投資家がドルを買いますと、当然ドル買い、円売りですから、ドルは上がり、円は下がっていきます。
とにかく円安にさえすれば、日本経済は再生するという信念を、当なぜ円売りかというと、どうせ一ドルが一三○円になるのだったら、今まだ一ドル三もっと為替差損が拡大してしまう。 こうして彼らが円を売ったものですから、円が下がって、そこでいわゆる日本売りという現象が発生したのです。
日本売りは、日本の株を持っていた外国人の投資家が、耐えきれず、日本から逃げ出した結果だったのです。 外国人投資家の始めた日本株売り、円売りは、日本の大蔵省にとって大変なショックでした。

年初に株が暴落する状況になるまでは、たしかに大蔵省は円安政策をとっていました。 大蔵省は日本の機関投資家を呼び集めて、彼らにドル債を買わせていました。
「あんた、どのくらい買うか。 今ここでコミットしろ」と言っては、ドル債を買わせていたのです。
この時、大蔵省の方々は持っていたようで、だから日本の投資家にドルを買わせたのです。 よほど円安に誘導したかったのでしょうか。
一時、彼らは日本の投資家に対して「もしもお前がドルを売っているのを見たら、即刻税務調査を入れてやるぞ」とまで脅したそうです。 税務調査をこのように使うことは、実は国家公務員法違反だと聞いておりますけれども、それでも皆さんは偉くなれるのですから、いやはやこの国は素晴らしいものです。
ともかくとして、それくらい大蔵省は一生懸命円安誘導をしていたのですが、一月に株が暴落しました。 しかも外国人売りだったということで、彼らは「しまった」と気づいたのです。

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